top of page
  • yusukekawakami

リョウブ(令法)


リョウブの新芽が生えだした。よくリョウブの写真を初めて見た人から「何の花の写真ですか」と聞かれるが、遠目では花と見間違うほど美しい形容であると思う。特に朝日の光に透けて黄金色に輝く姿は神々しくもある。そしてやはり山菜としても美味い。ご飯をかさ増しするための「リョウブ飯」が定番のレシピだが、だし醤油でお浸しや胡麻和えがおすすめ。

リョウブは和名で「令法」と書く。諸説あるが、飢饉に備えて切らないように残して置くことを法律で定めたことから「リョウホウ」→「リョウブ」に訛化したのが由来と言われている。同様にトチノキやヒガンバナなども救荒植物として絶やさぬよう昔の人々は知恵を絞って食料の保存に徹したきた。


さて現在はどうだろうか。コンビニ、スーパー、ファーストフード、ファミレスの台頭によって金さえ出せばいつでも食事がとれるような社会である。冷蔵冷凍庫のおかげもあって短期間であれば常時食料保存も可能になっている。そのため私たちの食料備蓄の意識は相当に薄れてきている。意識するのは震災や停電時などの非常事態の直後だけである。今回のようなウイルス騒動で食料の買い占めも見られたが、事態が収まり時が経てば、また人々は同じ過ちを繰り返すだけだろう。一時的に給付金を配ろうが、給与保証をしたところで根本的な解決にはならない。治療薬の開発にも躍起になっているようだが、ワクチンはタミフルに代表されるように副作用をきたすだけで何の役にも立つことはないだろう。ちなみにタミフルは全世界での使用量の約8割も占めているのが日本である。規制のゆるい日本は世界の薬の在庫処分場と揶揄されている。

話を戻すと、今こそ根本から私たちの生活を見直す時期なのではないだろうか。昔と比べ専門職種や業態が異常なまでに膨れ上がり、一つのネジが外れると生活もままならないのが現代の社会である。国内では水が止まる、電気が止まる、交通が分断される、対外的には貿易が止まる、人の移動(観光・国際交流)が止まる。そうなった場合我々の生活はどうなるか。一つの何かに依存する生活ではなく、複数の生きる術を身に着け、グローバリズムに席巻されず、かつ化石燃料を極力使わない持続可能な環境を保持し、自分たちのことは自分たちで何とかしてきた昔の人々の習慣を再度見直さなければならない。




閲覧数:54回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page